絶縁耐力試験の際には確実で安全な試験を行うため、高圧相間や変圧器二次側で相間短絡の処置を行います。
ただしこの短絡処置の外し忘れがあると、送電の際に短絡事故となりますので要注意です。
(実際の事故報告では短絡設置器具の取外し忘れが多いですね)
使用した相間短絡用のクリップは、チェックリストや名札での管理を行いミスがないことを心がけていますが、技術者らしく数値的な確認が出来ないものかと思っていたところ、現場で使えそうなLCRメータがあったので試してみました。
210kVAのキュービクル一括で処置をしていない場合、相間インダクタンスは358.6mH。
変圧器二次側の短絡処置を全て行った場合、22.38mHに低下しました。
高圧側の三相短絡処置で、5μHとほとんどゼロに近い値となります。
なんとなく予想していた感じで変化が掴めたので、短絡処置の外し忘れのチェックには使えそうです。
ただ、メーカー技術担当殿に伺ったところでは、あくまで個人的見解として教えていただいたのが
- 放電を十分にしないと測定器が壊れる事。
- 周波数が100Hzなので値は参考。
- 測定器からの印加電圧が低いので、負荷が沢山あると測定出来ない事がありそう。
とのことでしたので、処置前後の参考値として扱うのが良さそうです。
今回は高圧側だけでしたが、PTやCTの二次側回路も確認するのも良さそうですね。
参考値ではあっても、データを蓄積することで見えてくるものがあればいいな〜と思っています。